青森

【青森・秋田3泊4日旅】3日目:津軽鉄道(芦野公園駅・金木駅・津軽五所川原駅)、JR五能線(千畳敷駅)

7月に、青森・秋田で乗り鉄旅してきました。

今回の旅程はざっくり;

  • 1日目(弘前泊):御成座、虹のマート、弘前城
  • 2日目(弘前泊):弘南鉄道弘南線(田んぼアート、田舎館駅、黒石)、弘南鉄道大鰐線(大鰐温泉、金魚ねぷた列車)
  • 3日目(千畳敷泊):津軽鉄道(太宰治記念館「斜陽館」)、JR五能線(千畳敷)
  • 4日目:JR五能線(不老ふ死温泉、十二湖、大間越海岸)

という感じ。

きょうは3日目の記録。

 

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3日目:津軽鉄道(芦野公園駅・金木駅・津軽五所川原駅)、JR五能線(千畳敷駅)

6時すぎ、オランドの二階をチェックアウト。

弘前駅へ向かう。

06:47、五所川原駅行きのJR五能線に乗車。

進行方向左手側に座ると、岩木山が上から下までくっきり見える。

昨夜、宿の雑貨コーナーで見つけて即買いした岩木山のオブジェを並べて遊んだり。

美しいなあ…。

川部駅に到着したので、さっと反対側の座席に移動する。

ここから先はこれまでと進行方向が逆になって五所川原駅へ向かうので、今度はこちら側の座席から岩木山が眺められるようになるのですよね。

同じ車両に乗っていた旅行者らしきご夫婦は、急に進行方向が逆になったのでまごまご。

車窓の変化に気づいた時にはもう岩木山側の座席は埋まってしまっていて、ちょっと残念そうだった。

窓の外は岩木山とりんご畑の風景が延々とつづく。

07:31、五所川原駅着。

08:10 津軽五所川原駅 → 津軽中里駅(津軽鉄道)

五所川原駅の駅舎を出て、すぐ隣の津軽鉄道津軽五所川原駅へ。

津軽鉄道 津軽五所川原駅

ひゃー、渋い…!!!リアルな貫禄がすごい。

木目が鈍い光を放っているきっぷ売り場のカウンターで「津軽中里駅まで」と告げると、ガラスの向こうから硬券が出てきた。

津軽鉄道 津軽五所川原駅

ふつうに硬券だよ…!!!なんと貴重な…!!!

津軽鉄道 津軽五所川原駅

このストーブに火が入り、窓の外にこんこんと雪が降り積もる冬の景色も見てみたい…。

津軽鉄道ホームへ。

津軽鉄道 津軽五所川原駅
津軽鉄道 津軽五所川原駅
津軽鉄道 津軽五所川原駅
津軽鉄道 津軽五所川原駅

すべてのものに年季が入っていて、「レトロ」なんて甘っちょろい表現がぶっ飛ぶ。

青々とした草、ぴかぴかの青空と時が止まったような古びた鉄道の対比。

津軽鉄道 津軽五所川原駅

時が止まったよう。

津軽金山焼の風鈴がカランコロンとかわいい音を奏でる車両にゆられ、08:47 津軽中里駅着。

09:00 津軽中里散策

折り返しの便まで50分弱。

津軽中里駅前からちょっと散策してみる。

にわかに空が曇り、風がびゅうびゅうと吹き付けてくる。

うーん、さびしい。

津軽鉄道 津軽中里駅 神明宮

津軽中里駅前の車通りに沿って歩いていたら、通り沿いのちいさな店舗のシャッターがゆっくりと上がり始め、それと同時に向こうから初老~老年の男性がわらわらと歩いてきた。

ちょっと先の駐車場には、軽トラックがどんどん入って行く。

なにごと!?

シャッターが上がり切ってみると、ちいさな商店に見えた店舗はなんとパチンコ屋だった。

あー、ここ、たぶんこのあたりでは貴重な娯楽の場なんだろうな…。

「地方のリアル」を見たような気持ち。

津軽鉄道 津軽中里駅

さて、再度津軽鉄道に乗車するよー。

09:48 津軽中里駅から芦野公園駅へ向かう。

10:00 赤い屋根の喫茶店「駅舎」でブランチ

09:59、芦野公園駅で下車。

駅舎内にある喫茶店「駅舎」へ。

津軽鉄道 芦野公園駅 赤い屋根の喫茶店「駅舎」
津軽鉄道 芦野公園駅 赤い屋根の喫茶店「駅舎」
津軽鉄道 芦野公園駅 赤い屋根の喫茶店「駅舎」

高い天井に黒光りする梁、窓の外には津軽鉄道が走る。

馬肉を使った激馬かなぎカレー、コクがあっておいしかった!

駅ホームでは紫陽花が見ごろ。

津軽鉄道 芦野公園駅 赤い屋根の喫茶店「駅舎」

自然公園の中にたつ駅舎だけあって、春は桜のトンネルが美しく、その見物客で大賑わいとなるらしい。

さぞ奇麗なんだろうな。

芦野公園駅から次の目的地がある金木駅まではひと区間。

歩いちゃおうと思っていたけど、暑くてめんどくさくなってしまったので、やっぱり鉄道に乗ろう。

10:58、芦野公園駅から津軽鉄道に乗車。

11:01、金木駅着。

11:15 太宰治記念館「斜陽館」

金木駅から歩いて、太宰治記念館「斜陽館」へ。

駅前通りから角を曲がって進んでいくと、引くほど大きな建物が見えてきた。

津軽鉄道 金木駅 太宰治記念館 斜陽館 

いやほんとマジで引く。

建物の大きさも広さも高さもすごいし、中に入ってみれば、入り口から奥までぶち抜きで続く広い広い通り土間やら、二間ほどある絢爛豪華な仏壇やら、襖を外すと63畳の大広間になるという部屋の数々やら、鹿鳴館を模したという純西洋風の応接間やらのあまりのしつらえのすごさに、お口ぽかんとなる。

太宰治の母の居室だったという部屋は、雪輪を施した洒落た意匠の欄間と、襖文字の中に並ぶ「斜陽」の文字がみどころ。

津軽鉄道 金木駅 太宰治記念館 斜陽館 斜陽の間
津軽鉄道 金木駅 太宰治記念館 斜陽館 
津軽鉄道 金木駅 太宰治記念館 斜陽館 

太宰が作中で引用したというヴェルレーヌのことばで、芦野公園内の太宰治文学碑にも刻まれている、『選ばれてあることの 恍惚と不安と 二つわれにあり』。

そりゃあ、好むと好まざるにかかわらずこれほどまでに”選ばれちゃった者”であった太宰治にとっては、偽らざる実感だったんだろうけど。

作家としての太宰にそこまで思い入れなく、きわめてフラットにこの生家とそこに宿っていただろう富と力に触れた者としての率直な感想は、「ある意味最初から最後までしっかり贅沢過ぎる人生で引くわー」という感じ。

人間、あまりに恵まれていると不安探しをしたくなっちゃう、破滅が魅力的に見えるようになっちゃうものなのかね?

贅沢病。

引くわー。

12:30 金木駅 → 津軽五所川原駅(津軽鉄道)

金木駅から、津軽五所川原駅行き列車に乗車。

津軽鉄道 金木駅 タブレット交換
津軽鉄道 金木駅

タブレット交換が見られたよ…、感無量。

津軽鉄道、もう思い残すことはない。

いや、今度はストーブ列車の時に来たいな。

またいつか(早めに)ね。

12:56、津軽五所川原駅着。

13:30 五所川原駅 → 千畳敷駅(JR五能線)

13:30、五所川原駅からJR五能線に乗車。

五所川原駅から木造駅、鯵ヶ沢駅までは、前回の青森旅で履修済み。

岩木山を左手側に見ながら田園風景の中をひたすら走り、鳴沢駅の先で日本海側に出る。

一気に景色が変わり、気分が変わる。

鯵ヶ沢で、どーーーっと人が乗って来た。

こんな普通列車で、トラピックスのひとたちがどこまでいくんだろう?

列車の窓にばちばちと枝が当たるほど緑が茂る区間と、海が広がる景色が交互にやってくる。

JR五能線

14:28、千畳敷駅に到着。

14:30 田中民宿へチェックイン、千畳敷散策

先ほどのトラピックスグループも、千畳敷駅で下車した。

ホームを下りて海側へ出ると、前に立ったガイドさんが、20分後にここにバスが到着すること、それまで自由時間であることを告げていた。

ああ、なるほど。

鯵ヶ沢から千畳敷までは五能線をかじる旅程になっているわけね。

しばらく千畳敷のこのあたりが混みそうだから、先に宿にチェックインしちゃおうっと。

予約しておいた「田中民宿」へ。

このあたりでは2軒しかなかった宿泊施設のうちの、一軒。

電話した時、「いづがら~?」「ひどり(ひとり)があ~?」というおかーさんの受け答えがたのしくて、ここに泊まろうと決めた。

「くるまかあ~?」という問いに「いえ、電車…(いや五能線は電車じゃないからなんて言えばいいんだ…)列車…ええと…五能線!!!です!!!」と答えたら、電話の向こうで「ごのうせんかあ、そりゃいいなあ~!」と笑う声が聞こえた。

どんな女将さんなんだろ、たのしみ。

民宿の建物の入り口でイカを焼いていた店員さんが店の奥に声を掛けると、奥からおかーさんが出てきた。

おお、美人。

70代中盤ぐらい?お年は召しているけれど、若い頃はさぞやと思わせる。

歳でもう二階には上がれないんだ、というおかみさんの代わりに、店員さんに部屋まで案内してもらい、一休み。

部屋の窓のすぐ外を、五能線の列車が走っていく。

16時ちかくなってようやく日差しが和らいできたので、千畳敷へ出てみる。

JR五能線 千畳敷駅 千畳敷
JR五能線 千畳敷駅 千畳敷

ごつごつした岩の浜と水際ラインが複雑に入り組んだ千畳敷は、月面のような荒涼とした景色。

カップルや家族連れ、仲良しグループが、足元の岩の割れ目に注意を払いながらそれぞれの岩場ルートを楽しそうに散策している。

JR五能線 千畳敷駅 千畳敷
JR五能線 千畳敷駅 千畳敷
JR五能線 千畳敷駅 千畳敷
JR五能線 千畳敷駅 千畳敷

野点セットを広げ、先ほど津軽五所川原駅前で買ってきた笹餅で一服。

めちゃくちゃ美味。

もっと買って来ればよかった。

18:30 夕食、シャワー、就寝

民宿へ戻り、おかーさんが用意してくれていた夕食をいただく。

お刺し身盛り合わせ、サザエのつぼ焼き、カレイの煮付け、ナマコ酢、あら汁などなど…。

西側の大きな窓からはだんだん沈んでいく夕日がどーんと見えていて、「きょうは貸し切りで、こうして食べながらよーく見えてよがったなあ!」とニコニコのおかーさん。

たしかに!と思いながらおいしく食べ進めていると、一通り配膳を終えたおかーさんがとなりのテーブルに腰を下ろした。

千畳敷の今昔、青森の今昔、日本の今昔の話がはじまり、仕事を終えたおとーさんも加わって、話は大盛り上がり。

気づいたら、外はとっくにとっぷり夕闇に沈んでいた。

おお、日の入りを見逃した。

まあいいや 笑。

ごちそうさまでした。

時刻は22時過ぎ。

お風呂を入れるか?と尋ねられたので、いえもう遅いのでシャワーでいいですと返事。

お互いおやすみなさいと声を掛け、着替えを取りに部屋へ戻ってハタと気づく。

そういえば、部屋でタオルを見かけなかったな…。

おかーさんはもう電気を消して食堂を離れて行ってしまっていて、タオルがどこにあるのか、そもそもタオルがあるのかないのかを訊くこともできない。

…まあいいや、手ぬぐい二枚持ってるから、それで拭けば。

手ぬぐいで体を拭き、浴室から出て、ハタと気づく。

そういえば、ドライヤーも見かけてないな…。

…まあいいや、部屋に扇風機があったから、あれで乾かせば。

たのしい一日でした。

おやすみなさい。

おわりに

いつか乗ってみたかった津軽鉄道。

金木駅でのタブレット交換を見ることができ、大満足だった。

今度は雪の季節にも乗りに来たいなあ。

本日の旅の出納帳

青森・秋田3泊4日の旅費、3日目発生分の記録。

弘前駅→五所川原駅(JR五能線)510円
津軽五所川原駅→津軽中里駅(津軽鉄道)870円
津軽中里駅→芦野公園駅(津軽鉄道)360円
激馬かなぎカレー(赤い屋根の喫茶店「駅舎」)1,000円
芦野公園駅→金木駅(津軽鉄道)180円
津軽鉄道手ぬぐい、タルトノア(金木観光物産館産直メロス)850円
入館料(太宰治記念館「斜陽館」)600円
金木駅→津軽五所川原駅(津軽鉄道)560円
桑田ミサオさん直伝の笹餅(でる・そーれ)170円
石炭クッキー(でる・そーれ)200円
五所川原駅→千畳敷駅(JR五能線)770円
1泊2食(民宿田中)10,000円
夕食清酒(民宿田中)300円
16,370円
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