1月に、島原・天草へ行ってきました。
【島原・天草4泊5日】
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) January 16, 2023
①島原鉄道 大三東駅
②雲仙地獄
③世界遺産 原城跡(※霧スゴスギィ…)
④世界遺産 天草 崎津集落
決して行きやすいエリアではないけど、風土と歴史が大変おもしろかった
移動経路、交通手段&所要時間等ブログに記録予定#全国旅行支援 #楽天トラベル#ひとり旅 pic.twitter.com/HkTUwRXVO3
今回の旅程はざっくり;
という感じ。
島原(長崎)と天草(熊本)をめぐる、4泊5日のひとり旅。
きょうは4日目の記録。
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4日目:天草ロザリオ館、大江天主堂、カトリック崎津教会、世界遺産 潜伏キリシタンの里 崎津集落
07:00 本渡バスセンターからバス乗車
6時過ぎに起き、準備をして、向かい側の本渡バスセンターへ。
7時発の九州産交バスで、世界遺産 潜伏キリシタンの里 崎津集落へ向かう。
まだ日の出前で真っ暗な中待合室に座っていたら、「わくわく1dayパス」という一日乗車券(2,000円)が使えそうな気がしてきた。
到着したバスの運転手さんに確認すると、確かに使えるとのこと。
本渡バスセンターと崎津の間を往復するだけで2,800円かかると思っていたので、2,000円で済むならラッキー!
その分、どこかで美味しいものでも食べようっと。
真っ暗ななかわたし一人で貸し切り状態のバスが出発し、市街地を抜けてからはひたすら山道を走っていく。
山を上って山を下って田んぼの中を走っている頃、日が昇った。
陽の光…ほっとする…。
乗換案内アプリでは「新丸山」というバス停で乗り換えることになっていたのだけど、バスの運転手さんに一町田というバス停で声を掛けられた。
崎津集落へのバスには、ここで乗り換えるらしい。
乗り換え案内アプリで出てきてたバスの乗り換え停留所情報、間違ってた…
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) January 15, 2023
こわい…
乗車時に運転手さんに目的地を伝えておいてよかった…(目的地への乗り換えならココのはずですよ!と、本来の停留所で降ろしてくれた)
(厳密にいうと、アプリで出てきた「新丸山」はこのすぐ次の停留所だったので、大きな間違いではないのかもしれないけれど、乗って来た便が新丸山も通ることになっていたかどうか定かでないので、基本的には一町田で乗り換えと考えた方が安全そう。)
しばらく走っていたら、海に出た。
うわあ…なんておだやかな景色…、きれい…。
バスは海に沿ってどんどん走っていく。
このあたりで、「ひょっとしたら大江天主堂にも行けるのでは?」と思い始め、運転手さんに聞いてみる。
「このバスは大江天主堂の方にも行きますか?」
「行きますね」
「大江天主堂に行くにはどこで降りたらいいですか?」
「大江天主堂入口ですね」
大急ぎで乗り換えアプリで検索。
もともと、バスの本数が少ないので大江天主堂まで行くのは時間的にちょっと厳しそうかなと思ってあきらめていたけど、このまま大江天主堂まで行って先に大江天主堂を見て、もしそこから崎津教会の方へ戻るちょうどいいバスがあれば…両方行けると思うんだけど…。
…ありそう!約2時間後にありそう!
大江天主堂で2時間も時間をつぶせるかどうかわからないけど、最悪、大江から崎津まで歩いても約1時間程度みたいだから、何とかなるはず!
08:30 大江天主堂&天草ロザリオ館
イチかバチかではあったけど、大江天主堂入口バス停でバスを降りてみた。
目の前に何か大きな建物があった。
へー、こんなところにこんな資料館があったんだ!!!
大江の方まで来られるとは思ってなかったから真剣に調べておらず、知らなかった。
しかも8時半開館とのことで、まさにドンピシャで開いたところだった。
旅をしてると、こんな感じでまるで呼ばれるようにするすると事が運ぶ時があるんだよねえ。不思議。
中は、母子観音像のかたちを取ったマリア像や洗礼に使った道具、潜伏キリシタンが礼拝に使っていた隠し部屋のジオラマなど、天草の潜伏キリシタンに関する資料がいっぱいで、なかなか見ごたえがある。
村人が亡くなった時には決まりに従って仏式の葬式があげられるのだけれど、その読経によって天国へ行けなくなることを恐れ、隣の部屋でひそかにフタを開けてお経をその中に閉じ込めて消すとされていた『経消しの壺』なんてもう…。
天草ロザリオ館で見た「経消しの壺」と「マリア観音」。https://t.co/8EoTd14XQ7
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) March 7, 2023
当時の日本のキリシタン信仰の独自性に感嘆した。
(資料整理のため、写真保存) pic.twitter.com/nc83bYThXx
こんなことにすら日本人の生真面目さというか潔癖さが詰まっている感じがして、ちょっと切なくなった。
天草ロザリオ館を出て、裏の山へ登っていく。
中に入ってみると(撮影禁止)、ほっこりベージュと白のかわいらしいカラーリング。
「山の教会」大江天主堂の内部の様子。https://t.co/8EoTd14XQ7
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) March 7, 2023
手作り感いっぱい、素朴で可愛らしい教会。
(資料整理のため、写真保存) pic.twitter.com/xvYnqUuhXx
天井のレリーフや壁のステンドグラスは素朴な花のデザインになっていて、19世紀のおわりにこの島へやってきて、私財を投げうち、信者と共に手作りでこの教会を建てたというガルニエ神父の純粋さが伝わってくるようだった。
祭壇の上にはガルニエ神父の姪、ソフィーが描いて送って来た『お告げのマリア』の絵が飾られていて、そういうところも含めて全体的にすごく素朴でほっこりした教会。
最初は「海の教会」と言われるカトリック崎津教会だけ行ければいいやと思っていたけれど、思いがけず「山の教会」大江天主堂にも来られてほんとうによかった。
丘を下って天草ロザリオ館まで戻ってきて、片隅にあるちいさなお店「パアテルさん」へ。
外国の教会の近くによくある、ロザリオやメダル、法王の写真などを並べてあるお店といった感じ。
店主の女性が手作りしているという天草陶石をつかった母子像レリーフを購入し、あたたかいチャイを買ってひとやすみ。
向かいの建物にもさりげなく、十字架。
つらい歴史がいっぱいのはずなのに、どこかほっこりのんびりした雰囲気の大江。
いいまちだった。
10:36 世界遺産 潜伏キリシタンの里 崎津集落散策
10時半すぎ、やってきたバスで先ほど通り過ぎてきた崎津集落方面へ戻る。
大江では晴れていたのに、あっという間に曇って暗くなってきてしまった。
崎津諏訪神社
10:49、崎津教会入口バス停で下車。
神社の鳥居越しに、カトリック崎津教会。
神社と教会がこんなにも近くに併存していることへの驚きとともに有名な景色だけど、前年に長崎のまちで「祈りの三角ゾーン」を見てきているので、まあこういうこともあるよなあ…と。
チャペルの鐘展望公園
バス停前の観光案内所の方が、諏訪神社の奥の階段を上っていくと展望台があると教えてくれていたので、行ってみる。
この階段が、想像していたのよりずっと長い…!つづら折りになってて延々とのぼっていく…!朝ごはんも食べてないのにキツイ…!
のぼること10分ほどで、到着。
ちょうど一瞬だけ晴れ間がのぞいて、碧い海と山の間に佇む崎津のちいさなちいさな集落がきれいに見えた。
こんなちいさな集落で、困難にも負けずにひっそりと信仰を守り続けてきたひとたちがいる。
並大抵のことではないよねえ。
天草 潜伏キリシタンの里 崎津集落
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) January 17, 2023
「山の教会」大江天主堂と「海の教会」カトリック崎津教会、ちょっとがんばって両方行ってみて良かった。
世界のキリスト教史でもかなり特異だろう、日本の潜伏キリシタンという存在が、立体的に浮かび上がってくる感じがした。 pic.twitter.com/V6V2MpRNHA
どうしてそんなに強くなにかを信じられるんだろうかというのが、率直な気持ち。
カトリック崎津教会
展望台を降り、カトリック崎津教会へ。
﨑津教会は、長崎の建築家・鉄川与助によって設計されたゴシック様式の教会で、現在の教会は、1934年(昭和9年)、フランス人宣教師ハルブ神父の時代に再建された。
教会は、尖塔の上に十字架を掲げた重厚なゴシック様式で、その堂内は国内でも数少ない畳敷きになっている。
建てられた土地は、ハルブ神父の強い希望で、弾圧の象徴である絵踏みが行われた吉田庄屋役宅跡が選ばれた。この禁教時代に厳しい絵踏みが行われた場所に、現在の祭壇が配置されたと言われている。
天草宝島観光協会HPより引用
教会内(撮影禁止)は畳敷きになっていて、落ち着く感じ。
過去に激しい弾圧があった場所にあえて教会を建てるというのが、信仰というものにおける日本人のメンタリティの土台にどっしりと根付いている「鎮魂」を感じさせて、面白いなと思った。
レストランシンフォニー
結局、朝ごはん抜きでここまできてしまったので、お腹ぺこぺこ。
通りで見かけたレストランシンフォニーへ。
1日乗車券でバス代がちょっと浮いた分、ワインをいただくことに。
「これはちょっといいワインですよぉ」と言いながらご主人が出してきてくれた、プーリアの赤。
芳醇!
前菜プレート。
新鮮な野菜のサラダと、ビーツのスープがおいしかった。
パスタは、「崎津ペスカトーレ」を選択。
もちもちしたパスタと天草の海の幸をトマトソースがまとめていて、とっても美味。
最後はデザートのパンナコッタ。
天草で採れたという柑橘がのっていて、さわやか。
古くからある古民家を改装してオープンしたという、このレストラン。
壁には神棚のようなスペースが。
天草の崎津でお昼を食べたお店に、崎津のクリスチャン(キリシタン)家庭には一般的にあったといういわゆる「神棚」的なものがあって、その名称を教えてもらったのに忘れてしまってすごく残念…。
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) January 31, 2023
(写真一枚目が現物。もしご存知の方いらっしゃったら教えてください🙏。) pic.twitter.com/UN1jcvXeEz
思い出したい。聞こう。
「トウヤ」と「カケ」とネコ
食事を終えて外へ出る。
天草のあたりでは、イチジクのことを南蛮柿というらしい。
南蛮柿入りのお菓子をいろいろ売っていたのだけど、お客さんがいるし、いまはお腹いっぱいだから後でいいや。(と思って後から行ったらもう閉まっていた…残念…。)
さて、崎津集落の散策を開始。
「トウヤ」。
「カケ」。
﨑津独特の風景が、海に面した家々でよく見られる海上テラスのように造られた「カケ」である。今富の山で採れた竹やシュロで造られており、現在でも漁で使う道具の補修場や、魚介や海藻の干し場として使用されている。
「トウヤ」は、民家と民家の間に造られた約90cmの細い道のことで、海に出る際はもちろん、交流の場にもなっている。
どちらも、土地が狭く民家が密集した﨑津ならではの工夫であり、漁師町の歴史と文化を感じる風景である。
おらしょこころ旅HPより引用
どのトウヤに足を踏み入れても、ネコがいる。
この雰囲気は、むかしからあまり変わっていないんだろうな。
こんなお宅もあった。
戸口にちいさな十字架。想像が膨らむ。
旧網元宅「よらんかな」
このあたりの網元のお宅だった古い家屋を休憩所兼資料館として開放している、「よらんかな」へ。
2階の窓から教会の尖塔が見える。
海側へ出ると、大きくてりっぱな「カケ」が。
館内に、昔は台風のたびにこのカケが流されてみんなで作り直していた、というまちの人の子供の頃のエピソードが紹介されていた。
教会公園
雨が強くなってきた…。
でもせっかくなので港にそってぐるりとまわり、対岸にある「教会公園」まで歩いてみる。
教会公園から見ると、海の向こうにカトリック崎津教会。
こちらからもまたいい景色。
晴れてたら海がもっと碧くみえたんだろうな。
海上マリア像
もと来た道を戻り、崎津の集落のちょっと先まで歩く。
右手に見える岩の上に、海上マリア像。
肉眼では見えたけど、カメラが望遠ではないのではっきりは写らない距離。
港の入口にのびる突堤には、釣りを楽しむ人と、そのおこぼれに預かるつもりなのかネコがいっぱいいた。
ここ、夕陽に浮かび上がる海上マリア像のシルエットが美しいと有名なスポットらしいので、ちょっと長居して夕焼けを見て帰るつもりでいたけど、この日の天気ではとてもムリだな…。
あきらめよう。
天草市崎津資料館みなと屋
崎津の集落に戻り、崎津資料館みなと屋へ。
館内では、崎津集落および世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の概要を紹介する映像やジオラマ、潜伏キリシタンが信仰のために使っていた道具類が展示されている。
内側の模様を聖母マリアに見立てた貝殻(撮影禁止)は、係員さんが拡大写真で説明してくれた。
ここがこうなってこう見えるでしょ?と解説してもらっても、正直よくわからなくて…。
逆に、禁教とされるものをここまで信じることができたり、その一方で信心にここまで具象を必要としたり、人間ってほんと不思議だなと思った。
近くの集落の裏山で見つかった像で、羽根を持ち、手には剣、足元に何かを踏みつけている姿がキリスト教の大天使ミカエルに似ているとされるが、詳細はよくわかっていないらしい。
名前の響きも不思議だよね、「ウマンテラ様」。
潜伏キリシタン文化、独特。
(いや、独特じゃない文化なんてないんだけど。)
16:20 崎津教会入口→下田温泉→本渡バスセンター
さて、今日は夕焼けも望めないし、もうこの辺で終わりにしよう。
来た時のルートをそのまま帰ろうと思ったけれど、観光案内所で下田温泉側をまわっていくルートもあると教えてもらったので、帰りは下田温泉経由のルートにした。
さよなら、崎津!
朝に立ち寄った大江天主堂入口を過ぎ、山道をぐんぐんのぼったり下りたりしながら走ること40分。
下田温泉に到着。
ここで本渡バスセンター行きに乗り換える。
帰りは島の逆側をまわる路線で帰ろうと思ってバスに乗ったら、朝と同じ運転手さんだった😆
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) January 15, 2023
「お客さん、朝乗った方ですよねえ」と言われて気づいた😆
「朝からずっといたんですか?!」ってびっくりされ(呆れられ?)た😆 https://t.co/t4epUnkw7D
バスの運転手さん、わたしが朝8時半から夕方4時半までずっと崎津にいたことにびっくりした様子だった。
満喫しました。
17:45 宿に帰還、夕食、就寝
1時間半で、本渡バスセンターに到着。
行ってこられた…戻ってこられた…よかった…。
夕食は、前日にも行った居酒屋「藤家」を再訪。
お店に入ったら大将が「あ…!」という顔で迎えてくれた。
美味しかったのでまた来ちゃいました。
この日もお腹いっぱいになってホテルへ帰還。
まだ時間が早いので、ロビーでゆっくり本を読む。
部屋に戻り、お風呂に入って就寝。
おやすみなさい。
おわりに
深く入り込んだ静かな入り江、ひっそりとした小さな集落で受け継がれてきた、特異なキリスト教文化。
ついに行けた、世界遺産 潜伏キリシタンの里 崎津集落。
バスだと自由度は当然低くなるけれど、ゆったりと一日まるまるを掛ける割り切りができるなら十分行ける場所だと思った。
あいにくの天気で鉛色に垂れ込める空を見ながら、昔読んだ『沈黙』を思い出したりした。
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