5月の18日から21日に、和歌山へ行ってきました。
今回の旅程はざっくり;
- 1日目(橋本泊):(橋本への移動のみ)
- 2日目(高野山宿坊泊):不動坂ルート、高野山散策、宿坊泊
- 3日目(和歌山泊):高野山奥の院散策、不動坂ルート
- 4日目:和歌山電鉄貴志川線、南海加太線
という感じ。
きょうは3日目の記録。
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3日目:高野山奥の院散策、不動坂ルート、JR和歌山線
のどがチリチリと痛くて目が覚める。
これは、風邪ひいたっぽいなあ…。
06:00 勤行
マスクを着け、ダウンジャケットを着て、早朝の勤行がおこなわれる本堂へ。
10分前に本堂に着くと、10名ほどが入り口付近で待っていた。
みんな日本の人。
本堂に入り、座椅子を出してきて並べて座る。
その間につぎつぎと外国人が集まって来て、瞬く間に満員に。
(前夜、温泉浴場でみかけたにぎやかなスペイン語圏女性2人は浴衣を着たまま本堂に入って来て和尚さんに脱いでくるよう言われていた。チェックイン時に勤行は浴衣での参加ができないとガイドさんが説明しているところも見ていたので、話をまったく聞いていなかっただろうことが明らか。おしゃべりに夢中だったんだろうなあ 笑。)
ろうそくのあかりが灯る薄暗い本堂で、勤行スタート。
和尚さんおふたりの読経が響く中、ひとりずつ前に進み出てお焼香をする。
外国のひとたちは当然やりかたがわからないので、日本人のやっているところを見よう見まねでなぞっていく。
とはいえ日本人でも宗派によってやり方が微妙にちがったり、そもそもお焼香自体になじみがなかったりする人も多々いるわけで、みんなさぐりさぐりといった感じ。
30分ほどの読経のあと、和尚さんの案内のもと堂内をぐるっと一周し、本堂前のお庭の説明を受ける。
雨にけぶる日本庭園が美しい。
07:30 朝食
前夜の夕食をいただいたのと同じお部屋で、精進料理の朝食。
高野山で宿泊した宿坊の朝食記録 pic.twitter.com/NZS1FPJAnp
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) June 4, 2024
ごちそうさまでした。
08:00 チェックアウト
外はまだ雨が降っている。
高野山の外周をめぐる女人道コースを歩いてみようかとも思っていたのだけど、体調もイマイチだし雨もまだ降っているのでやめだやめだー!
天気予報ではここから数時間で雨も上がりそうなので、奥の院をじっくり散策することにしよう。
下半身だけレインウェアを履いて、荷物をまとめてチェックアウト。
チェックイン時と同じくスペイン語団体とタイミングが一緒になってしまい、靴はどこだ、荷物を忘れてる、食事のときのお酒の清算が済んでいない、と対応にてんやわんやのレセプション…。
おつかれさまです。
お世話になりました。
それはさておき
ここで、今回の福智院宿坊宿泊に関するマジで率直な個人的感想を。
…とにかく「高いわ!!!」。
というか、値段と質のバランスが非常に悪い。
精進料理の夕食と朝食がつくとはいえ、今回の宿泊は一泊29,000円。
部屋は特に眺望があるわけでもない和室、しかも建物のいちばん奥のいちばん上の階のいちばん端で、トイレと洗面所はフロアごとの共用。
朝夕の精進料理や高野山唯一という温泉はたしかにありがたみはありつつも、たとえば食事の配膳ひとつ取ってもお膳の上の一品一品がなんとなくごちゃごちゃ雑然とした並びになっていて、多分に通り一遍で流れ作業的な感じが否めないのですよ…。
そして何よりいちばんがっかりしたのは、朝の勤行。
ふたりの和尚さんによる読経は、どちらかの息継ぎでインターバルが生じると途端に頼りなくふわふわっとし始め、護摩を焚きながら燃えるように響く真言密教の力強い読経のイメージとは程遠い。
読経のあとのお説法も、まいあさ決まったことをルーティーン的にぺらぺらと早口で口から出しているだけなんだろうなと思うような惰性の雰囲気ばかりが伝わって来て(というよりもまず、「なにかを伝えよう」という気持ちがなさそう)、まったくありがたみが感じられない。
個人的感覚では、どれだけゆるやかに見積もっても
①部屋:8,000円
②夕食:4,000円
③温泉:1,000円
④勤行:2,000円
⑤朝食:2,000円
合計17,000円、ぐらいのラインがせいぜいだったと思う。
要するに、現状1.5~2倍の値付けになっている感じ。
…そりゃあこれだけ高くしても、お説法なんかに特に力を入れなくても、観光客はまいにちまいにち、世界中から、次から次へとやって来てくれるもんね。
でもわたしはすごく、ものすごくがっかりした。
値段が高かったから、じゃないよ。
値段だけの価値を感じられなかったから。
値段が高くてもそれに見合う価値に満足を感じることなんていくらでもあるし、わたしはその感覚はちゃんと持って旅をしてきているつもり。
今回の福智院での宿泊は、「テーマパークでアトラクションに乗ってお坊さんの居住エリアをぐるっと回ったね」、みたいな感じ。
こんな気持ち、少なくとも恐山の宿坊に宿泊した時には抱かなかったよ…。
宗教施設ではなく、旅館+テーマパークとして割り切れるならよかったのかもだけど。
幻滅、ゲンナリ、です。
おしまい。
08:30 高野山奥の院
福智院を出て歩き始めてすぐ、突然雨が上がって陽の光が差してきた。
今年2024年は、四国八十八か所のお遍路を「逆打ち」することで功徳が3倍になるという年とのこと。
お遍路、いつか行きたいものです。
福智院から東へ東へと歩くこと20分。
8:30、奥の院の入り口、一の橋に到着。
足を踏み入れた途端、空気が変わるのがわかる。
歴史の教科書に出てくる武将や大名家、ありとあらゆる企業や団体の墓石や記念碑が参道に沿ってこれでもかこれでもかというほど立ち並んでいて、そのどれもが厚く苔むして杉林のなかに溶け込んでいる。
これだけの数の墓所がみっちりと集まっているとかえって「空(くう)」になるというか、全体を通して「存在」や「念」みたいなものがまったく感じられず、どの墓石も杉の木と同じであるような感覚になる。
なんというか、「透明」な空気を吸い込みながら、ゆっくりゆっくり進んでいく。
9:30、御廟橋を渡って奥の院に到着。
御廟橋から先は、写真撮影禁止。
お大師さまが今なお生き、世界平和と人々の幸福を願い瞑想を続けていらっしゃる(とされている)場所だからね。
奥の院堂内へ足を踏み入れると、読経と護摩焚きの真っ最中だった。
広い堂内に、読経の声が響き渡る。
暗がりと護摩の炎と天井から一面に吊り下がる灯籠のあかり。
荘厳さに思わず手を合わせる、頭が下がる。
参拝路に沿って裏へまわると、お大師さまの御廟。
杉の木が立ち並ぶ山域の、空気のすがすがしさに圧倒される。
…気が付くと御廟橋を越えてすでに1時間ちかく経っていた。
10:30、御供所の前から生身供(しょうじんぐ)がはじまった。
御廟でいまなお生きておられるお大師さまへ一日2回、お食事をお届けする儀式。
あとをついて再び御廟橋を渡り、奥の院へ。
読経の続く堂内へ入ると最奥まで進んで白木の箱を降ろし開け、お食事をとりだして並べていく。
決められた作法にのっとって日々連綿と繰り返されているだろう所作の、美しさ。
もう一度御廟の前へ行き、あたまを下げる。
…来てよかった。
そろそろ戻り始めよう。
参道をゆっくりゆっくり歩き、一の橋へ向かって降りていく。
一の橋手前の広場で野点セットを広げ、お茶を一服。
奥の院、心が洗われた。
すばらしかった。
奥の院を出て、高野山のメインストリートとなる高野天川線(53号線)に沿って並び立つ宿坊や商店、おみやげ屋さんをのぞきながら歩く。
前日とは打って変わって気持ちのいい晴天。
せっかくなのでもう一度、こんどは陽の光のもとでの壇上伽藍や大門を見ておこう。
12:30 壇上伽藍&大門
あああ、前日と全然ちがうーーー。
キラキラしてて気持ちイイーーー!!!
蛇腹路。
東塔と三昧堂と金剛峯寺大会堂と根本大塔。
御影堂。
根本大塔と三鈷松。
大門。
高野山の入り口である西側の大門から東側の奥の院まで、よく歩いた!
ありがとうございました!
13:00 つくもで釜めし
大門近く、つくもでお昼ごはん。
高野山の釜めし店「つくも」で、とり釜飯ランチ(1,400円)
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) June 17, 2024
おこげ〜😍
ごま豆腐やお味噌汁も大変美味しかった
アタリをつけてお店の前まで来たら、外国人カップルがちょうど中から出て来た
「美味しかった?」と尋ねたら「すごく!」「あと、ここは高くないからgood👍」と
わかるぅ pic.twitter.com/zbvvC9lttB
各テーブルにラップが置いてあり、「余ったごはんはおにぎりにしてどうぞ」とのこと。
数口分多かったので、さいごにきゅっとくるんでリュックのポケットに入れた。
合理的でいいね。
14:00 不動坂コース
つくもを出て、女人堂へ向かう。
大門からバスで高野山駅へ行き、そこから極楽橋までケーブルカーでするっと下山できるのだけど、今回の旅では結局町石道をぜんぜん歩けなかったこともあって、せめて来た時と同じ不動坂ルートを極楽橋まで歩いておりてみようかなと。
前日と同じように、女人堂で手を合わせる。
またいつか、ご縁があったら高野山へ呼んでください…。
来た時は大雨でしっとりした緑、帰りは日光できらきらの緑をみながらの不動坂。
お昼の釜めしの残りのおにぎりをかじったりしながらのんびり歩いてきたら、最後ギリギリのところでケーブルカーに追い越された。
…ということで、ケーブルカーから接続している南海高野線の電車にはギリギリ間に合わなかったので、極楽橋の脇に立つお地蔵様と南海高野線の写真を撮ったりして時間つぶし。
高野山、またいつか~!
15:25 南海高野線、JR和歌山線
「天空」、「特急こうや」、「こうや」、そろいぶみ。
もちろん(特急料金もなにもかからない)「こうや」に乗って、橋本駅へ向けて出発。
山あいを縫うような急カーブを走り抜け、下っていく。
よくこんなところに鉄道を通したよなあ…。
途中途中の駅も、ものすごい急カーブ沿いにつくられ湾曲したホームがあったり、近代建築様式でつくられた趣のある駅舎があったりで、ゆっくり巡ったら面白そうだった。
16:05、橋本駅着。
17:01 JR和歌山線
下界に下りてきたら、暑い…焦げる…。
17:01、JR和歌山線で和歌山駅へ。
車内は高校生でいっぱい。
このあたり、こんなに若い人がたくさんいるんだ…。
和歌山線は、紀の川の流れに沿って西へ西へと走っていく。
18:14、和歌山駅到着。
18:30 コンフォートホテル和歌山へチェックイン
和歌山駅、思っていたよりずっと大きくて人通りも多く、にぎわっている。
予約していたコンフォートホテル和歌山へ、チェックイン。
駅からすぐで、シンプルでキレイ。
予約時に見逃していたのだけど、なんと朝食までついていた。
それで一泊6,616円。
ありがとうございますありがとうございます。
なんだか夕食に出るのも億劫になってしまったので、和歌山駅前の近鉄百貨店のデパ地下でお惣菜を買い、コンビニでお酒を追加して部屋でのんびり食べる。
お風呂に入って就寝。
おやすみなさい。
おわりに
奥の院、すごくよかった。
高野山へ行ってよかった、と思えた。
本日の旅の出納帳
和歌山3泊4日の旅費、3日目発生分の記録。
山椒粉、山椒あられ(平野清椒庵) | 1,480円 |
お菓子(松栄堂) | 980円 |
お菓子(みろく石本舗) | 960円 |
とり釜めし(つくも) | 1,400円 |
極楽橋→橋本→和歌山(南海高野線、JR和歌山線) | 1,350円 |
宿泊1泊朝食つき(コンフォートホテル和歌山) | 6,616円 |
さばずし(近鉄百貨店) | 459円 |
中華総菜(近鉄百貨店) | 700円 |
サラダ、アルコール(セブンイレブン) | 406円 |
12,871円 |
下界におりてきた感じがするなあ。
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