2025年8月中旬、夫とふたりでモンゴルへ行ってきました。
遊牧民のゲルで3泊、馬に乗って出かけて行った先の草原のテントで2泊、ウランバートルのゲストハウスで2泊の、7泊8日旅。
モンゴル🇲🇳へ行って来た
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) August 16, 2025
遊牧民のゲルに泊まった
みんなでお金を出し合って羊を丸ごと一頭買って捌いてもらって丸ごと一頭食べた
馬で移動して星空の下でキャンプした
トラックの荷台に乗って川を渡った
巨大チンギス・ハーン像を見た
ウランバートルを散策した
モンゴル、大変面白かった https://t.co/bAChU4ykma pic.twitter.com/Dky35KYg6u
今回の旅行、同じ日程で参加していたツアー同行者の方たち（総勢7名）（全員日本人）との行動が多く、写真等どこまで公開してOKかの見極めがむずかしかったのと、モンゴル旅行での最大の目的だった「乗馬」をしている間は安全上の理由でカメラを使用することができず、馬上からの視点がスマホ写真でしか残せていなかったのとで、全体的にどう記録しておくかを悩んでしまった。
…とうだうだしているうちに記憶が薄れていく一方なので、できる限りで残していきます。
きょうはモンゴル旅行7・8日目、ウランバートルで過ごした日の記録。
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7日目：ウランバートル散策
起床、朝食
Booking.comで予約しておいた宿、Mongolian Vision Tours GuestHouseで起床。
ひさしぶりのベッドでの就寝は、やはりラクだった。
この宿、朝ごはんまで出してくれる。
キッチンに行くと、サラダやたまごの載ったワンプレートとスープ。
生野菜食べるのひさしぶり…。
ありがたかった。
ナラントール市場
Sheilaさんに教えてもらって夫がスマホにダウンロードしたアプリ「UBCab」で、タクシーを呼ぶ。
あっという間に宿の前に迎えに来てくれた初老の男性ドライバーは、英語での会話もでき、目的地で降ろすときにも、「観光客を狙ったスリがたくさんいるから、荷物には気を付けて」とアドバイスまでくれた。
親切。
さて、ナラントール市場へ。
きれいなブルーの門をくぐると、オーニングの下に露店がびっしりと並んでいる。
靴とか洋服とか下着とか制服とかデールとか…
カーペットとか壁紙とかイスとかテーブルとかベッドとか戸棚とか…
パラボラアンテナとかバッテリーとかLEDライトとかゲルとかテントとか寝袋とか…
調理道具とか食器とか皮革製の乗馬用品とか毛皮製品とか文房具とかアンティーク（ブロカント）とか…。
とにかく、モンゴルでの生活にかかわるものなーーーんでも並んでいる感じ。
前日までのゲルでの生活で見慣れていた生活道具やみんなが着ていた衣類、履いていた靴、乗馬にまつわる道具をいっぱい見かけた。
なるほど、遊牧民のみんながゲルの屋根にストーブの煙突を取り付けたり、トラックの幌に透明ビニールシートで窓をつけたり、イグニッションを直したりしていたような作業は、こういうところで部品や道具を調達することで、全部自分たちの手でできるようになっているんだな。
このあたりも、「製品」として出来上がっているものを購入すること、「サービス」として手間と技術を外注することがあたりまえになっている日本とは、大きく違う。
自分たちの生活を自分たち自身でまかなえる生活力、ほんとうに素晴らしい。
でも、大きな「産業」が成り立ちにくい社会構造にはどうしてもなるなあとも思ったり。
どちらがいい悪いではなく、気候風土とか地理とか文化とか歴史とかの違い。
2時間弱ほどのんびり過ごして、市場を出る。
そう言えば、夫が遊牧民ホームステイでお手製のデールを譲ってもらったので、わたしもナラントール市場で探してみた。
デールを売っている露店もいろいろあり、外国人観光客がお店のひととあれこれ話をしながら品定めをしている姿も何度か見かけたのだけど、壁にずらりと並べられた仕立て上がりデールは、夫のデールと比べると明らかにペラペラと安っぽいものばかりだったのでやめた。
「あれだとなんかコスプレみたいだよね 笑」とは、夫の言。
ご縁があれば、どこかでいいものに出会える時がくるでしょう。
国際フードコートでランチ
市場を出て、線路をくぐる。
これ、モンゴル縦貫鉄道の線路のはず。
いつか乗りたい。
それにしても、ウランバートルの街に立ち並ぶビルは直線的かつ画一的で、共産圏だった時代の空気がムンムン。
なのに並んでいる車はほとんどがトヨタ、ほとんどがプリウス。
おもしろい。
空は快晴、太陽はギラギラで、暑い…。
フラフラしてきたので、車がひっきりなしに出入りしている大きなショッピングセンターに入ってみる。
中には大きなフードコート。
いろんなお店があるけれど、ほとんどが中国料理か韓国料理。
羊肉じゃない、なにかパンチのある味のものが食べたかったので、客引きが上手だった女性のお店の前でテーブルに着き、チゲ鍋のセットを注文。
夫はそれほどお腹が空いていないというので、ピロシキをひとつだけ。
やがてテーブルに届いたチゲ鍋定食はものすごいボリュームで、2人分はありそうに見えるけど、これで一人前らしい。
そういえばSheilaさんが、ウランバートルの食事はどれも量がすごいと言ってたな…。
ひと口食べると、辛みというより甘みの印象が強い味。
うーん、あまり得意じゃないかも…。
それでも二口三口と食べ進めるうちに、なんだか気分が悪くなってきた。
トイレに行ってくる、と夫に告げてトイレに駆け込む。
お腹がくだりそうなわけでもないのだけどなんとなく内臓が重く、鈍い排尿痛がある感じ。
ああ…膀胱炎ぽいのかも…。
席へ戻ると、夫がわたしの顔色を見て声を上げる。
「なんか顔色まっしろなんだけど、大丈夫？！」
うーん、なんかもう食欲ないかも…残り食べてもらえる？
夫が残りをかきこむ間、次に行く場所をどうするか相談。
体調がなんとなく悪いけど、ガンダン・テクチェンリン寺には行きたいんだよなー！
ここからお寺まではタクシーの距離。
お寺から宿へ戻るにもタクシーを使いたいけど、UBCabは現金支払いだから、手持ちの現金が足りるかどうかがすごく微妙。
わたしとしてはどこを優先してどこでタクシーを使うか決めるには、UBCabで検索して目安料金を出して参考にしたいのに、なぜか（ほんとうになぜか）夫がなかなかUBCabで経路と費用をチェックしようとしてくれない。
「行けるんじゃない？」「現金足りないんじゃない？」「混んでそうだからタクシーつかまらないかも」「さあ…？」みたいな返事が返って来るばかりなので、余計に気分が悪くなってきた。
わたしのスマホにUBCabを入れておけばよかったよ…。
（夫、基本的にものすごく優しいのだけど、ふだんでもごく稀にこういう時があって、なぜいまそこで急に突き放す？？？となることがある。）
むかつくわー（怒）と思いつつ、「では、ここからガンダン・テクチェンリン寺までタクシーで行きます。ガンダン・テクチェンリン寺の後どうするかは行ってから考えます。ガンダン・テクチェンリン寺までのタクシーを呼んでください」に決定。
ふん。
タクシーを呼びやすい大通り沿いで夫が見たがったので、立ち寄ってみた場所。
Googleマップ上で「Edu Apartment」とあるこの建物、数年前にこの車道で液化天然ガスを積んだトラックが乗用車と衝突事故を起こして大爆発したんだって。
日本でも報じられたらしく、前日にゲルからウランバートルまで送ってくれたお義兄さんが渋滞の合間に建物を指さしながら、日本のニュースのYouTube動画を見せてくれた。
ものすごい爆発。
建ってるのが不思議なぐらい。
大通り沿いでタクシーを呼び出しつつ待つ。
時間的なものか、申し込みはするのだけどなかなかマッチせず、つかまらない。
暑いし太陽はまぶしいし、夫は「やっぱり、つかまらないんじゃないかと思ったんだよなー」みたいな空気を出しているしで、不愉快だわー（再）。
ガンダン・テクチェンリン寺
20分ぐらい待って、ようやくマッチした。
到着したタクシーは、もうほんとモンゴルにはそれ以外は無いんじゃないかというほどのプリウス、ドライバーは女性。
ものすごく安心感のある運転で、ガンダン・テクチェンリン寺に到着。
チベット仏教寺院であるこのお寺、教育機関や研究所、僧侶の生活の場も兼ねていて、とても立派。
右手に見える建物群へと門をくぐると、お堂の前にマニ車が並び、五体投地用のボードがいくつも置かれている。
極彩色の建物に入ると、極彩色の柱が建ち並ぶ中に袈裟をまとったお坊さんが並んで座っている。
少年というぐらいの年齢から40代ぐらいまでに見える僧侶たち、全体的にみんな若い。
どうも何かの儀式が始まるような雰囲気なので、入っていいものか臆しながらドアのところから頭だけ突っ込んで中を覗き込んだら、壁に沿ってぐるりとしつらえられたベンチにモンゴル人信徒らしき人たちがぎっしり座って、みんなモグモグお弁当を食べていた。
…なんか思ったよりフリーダムだな…。
それでも、信仰の場所なのでいちおう遠慮してドアの外に立っていたら、お堂の中へ若い僧侶が段ボール箱を運んできて、座っている僧侶たちの前のテーブルに一本一本、ペットボトル入りのコーラを配り始めた。
…コーラなんだ…笑。
コーラでのどを潤した僧侶たち、手に分厚い経典や楽器を持つ。
シンバルや太鼓などの打楽器に合わせ、歌うような読経がはじまった。
日本の仏教の読経とはまた違う、朗々とした雰囲気。
お次はいよいよ、高さ25メートルの仏像が建つというお堂へ。
ここ、入場料が7,000トゥグルクかかるというレビューを見た記憶があったのだけど、入って右手のブースへ行ったら20,000トゥグルク、現金で、と言われびっくり。
いや、現金ないし。
ここまで来て中に入れないのかー、仏像見られないのかー、と夫と落ち込んでいたら、ブースに座っていた僧侶が手招きしている。
何事かと近寄ってみると、クレジットカードを出せと。
…クレカ使えるなら早く言ってよ 笑。
20,000トゥグルクって、日本円で約900円ぐらいか。
モンゴル人（というより「信徒」なのかな）は無料らしいので、ここの入場料は完全に外国人観光客価格。
インバウンドで疲弊しきっている京都の寺院なんかも、こういう風にすればいいのにね。
別に何も難しいことじゃない。
中の立像は実に立派で、その立像に頭を下げ、堂内をぐるりと囲むように並ぶマニ車をひとつひとつ回しながら祈りをささげていく人の姿もたくさん見られる。
共産圏体制下で随分迫害された時期もあったチベット仏教（を含む諸宗教）が、その間も連綿とモンゴルの民衆の中で生き続けて来ていたこと、そして今も心の支えになっていることが伝わってきた。
人ってやっぱり、何かを信仰している必要があるというか、何かを信仰していることを欲するいきものなんだろうな。
駐車場に、アブダビナンバーのキャンピングカーが停まっていた。
大陸をずっと走って来ているんだろうか。
つながっているんだもんな、来られるよな。
こういうの、島国日本にはない感覚で新鮮。
徒歩で宿へ帰還
ガンダン・テクチェンリン寺の表参道に並ぶおみやげ屋で仏像、仏具、お香やお札などを冷やかしていたら、ざーーっと雨が降ってきた。
10分ほどで上がったけど、結局、モンゴルに来てからなんだかんだ毎日一度は雨が降っているなと思った。
表参道を下って大きな交差点に出る。
乗用車やバスやトラックがガンガン走り回る通りの真ん中には警察官が立ち、交通整理。
こんな大通りの往来が、人力なんだ。
おもしろ。
見たかったお寺を見ることができ、なんだか気が抜けてしまったので、宿へ戻ろう。
夫にUBCabでのタクシー呼び出しをお願いすると、また「距離が長くないから嫌がられて拒否されるかもしれないけどね…」とまたなにやら渋り口調なのにうんざりしてくる。
なんなの…、タクシーに関してこの唐突なネガティブさ…。
いいからとにかく申し込みだけしといて、と言って、交差点近くで待つ。
…マッチしない…ぜんぜんマッチしない。
ようやくマッチしたと思うと、直後にドライバーからキャンセルが入る…。
20分ぐらい待ったところで、わかった、もういいわ、歩こ、となる。
Googleマップによれば、宿まで徒歩約30分。
歩く、歩くわよ。
ウランバートルの街のようすも見られるしね、歩いてよかった。
宿に着き、階下の個人商店でおみやげになりそうな食料品やお菓子を買い込み、部屋に戻ってベッドにもぐりこんでひと眠り。
スフバートル広場（劇的な再会）
ちょっと眠って起きたら、ずいぶん楽になっていた。
日も傾いて、街なかの空気が落ち着いた感じ。
この日も同じ宿に宿泊だけど、日付が変わって午前3時にはもう帰国のために空港へ向かわなくてはいけないので、ウランバートルを散策できるのもあと少し。
最後に、宿からほど近いスフバートル広場周辺を歩いてみることに。
TBSドラマ『VIVANT』のロケ地として名が知られるようになったこの広場、ヨーロッパ的な建物と、共産主義的な建物と、近代資本主義的な建物が混在していて、ちょっと独特の雰囲気。
ベンチに腰掛け、あー、野点セット持ってきてここでお茶してもよかったなー、なんて夫と話していたら、10メートルほど向こうを見覚えのある姿がすーっと横切って行った。
「Tさん！？」と声を掛けながら追いかけると、男性が驚いたように振り返った。
馬旅キャンプ中に奥さまSさんが体調を崩し、途中離脱してウランバートルの救急病院へ行ったご夫妻のご主人、Tさん！！！
こんなところで会えるなんて！！！
あの日、夜中にウランバートル市内の救急で処置をしてもらった後もまだ下痢が止まらず、ホテルでずっと横になっているというSさん。
ずっと付き添っていたTさん、「大丈夫だから出かけてきて」というSさんの言葉でさっき街へ出てきてそこでラーメン食べて、スフバートル広場をのぞきに来たところだったそう。
なんという偶然。
お二人が離れた後の馬旅の様子を共有し、Sさんの容体を聞かせてもらって（万全ではないものの）ひと安心する。
「それではまたいつかどこかで！」と手を振りあって別れ、歩き出した。
しばらく行ったところで、名前を呼ぶ声がする。
振り返ると、Tさんが走って追いかけて来ていた。
目の前に差し出されたスマホを見ると、画面の中にはSさんの姿…！
TさんがホテルのSさんに連絡を取り、FaceTimeをつないでくれていた。
ベッドに横になってはいるけれど、相変わらずニコニコと朗らかな笑顔のSさん、「もうー、ひどい目に遭いましたよー」と笑っている。
大変でしたね、でもよかったよー！
あのあとね、のこったメンバーでね、「そうは言ってもSさん絶対、”いい話のネタができたわあ”って思ってるだろうし、今後のテッパン話にしますよね」って笑ってたんですよ。
そうそう！絶対ネタになると思って、ベッドに寝てる自分とSheilaさんで写真撮ったもん 笑、って。
だいじょうぶそうで良かった、お顔を見られて本当に良かった。
Sさんも、またいつかどこかで。
ウランバートル名物の渋滞を横目に、かつての国営デパート「State Department Store」へ歩く。
1階のスーパーでおみやげを購入。
ここ、おみやげになりそうなものがいろいろあって、とても楽しかった。
KFC
あまりに羊に飽きすぎて、でも街なかにはなぜか異様なほど韓国料理店ばかりあるし、その韓国料理にもお昼ごはんでうんざりしてしまったので、もう夜はあれだ、鶏だ、ケンタッキーだ。
宿の近くのKFCに飛び込み、モニター画面で注文。
最初はキリル文字表示ばかりで焦ったけど、ちゃんと英語表記への切り替えボタンがあった。
はー、ワールドワイドなフランチャイズの安心感…。
これは日本のKFCのバイトリーダーが見たら発狂しそうなぐらいグッダグダのオペレーションでひたすらバックオーダーが積み上がり続けてたウランバートルのケンタッキーの壁面モニター https://t.co/KKfyKwNEGi pic.twitter.com/ocf4x9IAUP
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) August 17, 2025
ワールドワイドなフランチャイズといいつつ、結局オペレーションは「人間」がするわけで、その国その国で事情が違ってくるのもまた味わい深く。
宿へ戻り、オーナー女性に事前にお願いしておいた明朝3時のタクシーのお迎えについて再度リマインドし、シャワーを浴び、荷物の準備をして就寝。
8日目：帰国
午前2時半にアラームが鳴り、起床。
さむい…。
荷物を背負ってそーっとエントランスへ向かうと、共用リビングのソファーで寝ていた人がむくりと起き上がった。
女性オーナーさん。
わたしたちが早朝出るからと、送り出しのためにわざわざここで仮眠を取っていてくれたらしい。
エントランスを出ると、ダウンを着ていても寒く感じるような気温。
オーナーさんは眠っていた時の半袖Tシャツ一枚のまま外へ出てきて、一緒にタクシーを待ってくれている。
5分過ぎ、10分過ぎてもタクシーが来ない…。
オーナーさんが不審気にスマホで電話を掛ける。
ドライバーさんに繋がったようで、あと数分で着くって、ごめんね、とすまなそうに詫びてくる。
全然だいじょうぶ、さむいのに、ここまで付き合ってくれてありがとう。
宿はきれいだし、お食事まで出してもらったし、あなたはこんなにも親切だし、またウランバートルに来られたら、絶対にここに泊まりに来るね。
オーナーさんと話しているところに、プリウスが滑り込んできた。
ああ、よかった、ちゃんと来てくれた。
オーナーさんとハグでお別れをする。
またね！
タクシー？で空港へ
タクシーに乗り込むと、運転席には30歳前後の女性ドライバー、そして助手席には小学生ぐらいの女の子が乗っていた。
…これは、タクシーというより「女性オーナーの知り合いとそのお子さん」だよな…。
ニコニコとあいさつをした後、スマホで韓流ドラマらしき動画を観ていた女の子、そのうち助手席でぐっすりと眠ってしまった。
…事情はよくわからないけど、付き合ってくれてありがとう。
ウランバートルの市街地を抜けるころから、むくむくと心配が頭をもたげてきて、夫にこっそりと声をかける。
「ねえ、タクシー代は12,000トゥグルクと聞いてるけど、この様子だとクレカ支払いはどう見ても無さそうじゃない…？」
そう、われわれはもう現金がない。
日本にいる時から宿に連絡を取り、空港へのタクシーをお願いし、12,000トゥグルクで空港まで送るよとやり取りが完了していたので、まさかここで「自家用車」が出てくるとは思ってなかったんだよね。
空港に着くと案の定、支払いはキャッシュのみとのことで、当の女性ドライバーも非常に戸惑っている様子。
いやいやいやいや、まいったな…。
夫が「開いてるかわからないけど、空港内の両替所に行ってみる」と走って行ったので、スマホの翻訳サイトを通してドライバーさんにその旨を説明する。
5分…10分…夫は戻ってこない。
車の中では女の子が眠ってしまっているし、こちらも気が気ではない。
ようやく夫から「両替所に行ってみた。明かりがついているのに誰もいないので、窓をガンガン叩いて呼んだら、奥から寝ぼけた係員が出てきて、やっと両替できた」とメッセージが来た。
また翻訳サイトを通して「もうすぐ来ます、遅くなってごめんね」と出した画面をドライバーさんに見せようとするのと同時に、ドライバーさんが自分のスマホ画面を見せてきた。
画面には「モンゴルは楽しかったですか？」の文字。
ブンブン首を縦に振ってうなずきながら、日本語で「楽しかったです！とっても！」と答える。
ドライバーさんがまた画面を見せてくる。
「モンゴルは好きですか？」
なんだか涙がこみあげてきてしまった。
またブンブンと首を縦に振りながら「大好き！」と答える。
本当にたのしかったし、大好きになった。
ありがとう。
さよなら。
またいつか。
ウランバートルから成田へ
空港へ入ると、ロビーにたくさんあるソファーで寝ている人がゴロゴロいた。
そっか、3時に出てくるならもういっそのこと空港泊にしちゃってもよかったな。
でもな、われらももう50歳超えてるしな。
わきまえましょう。
カウンターでチェックインも完了。
わたしは心配性なので、どれだけ時間があっても一刻も早く保安検査や出国審査を抜け、搭乗口の目の前にいたいタイプ。
一方、のこった現金を使いたいから、ロビーのカフェでコーヒーでも飲もうかなという夫。
コーヒーなんか搭乗口側でも飲めるんだからもう入っちゃおうよー、安心したいよーとゲートをくぐる。
【モンゴル旅で買って来たものをざっくり記録】
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) August 21, 2025
①お菓子類
左下のチンギス・ハーンビスケットは全部で6個、真ん中のモンゴルハチミツは全部で7個
※これらがぎっしり詰まった袋を保安検査場で台に載せたら係員の男性がﾌﾌｯと笑ってた（まわりは『GOBIカシミヤ』の袋を持った中国人でいっぱい） pic.twitter.com/yh40y8PSvz
ゲート前に陣取ってうとうとしていたら、馬旅でご一緒したＭさんからメッセージ。
わたしたちの乗る便と数十分しか違わない成田行きの便に乗るために、Ｍさんもいま空港に向かっているところとのこと。
前日スフバートル広場で偶然Ｔさんに会えたこと、ＳさんとFaceTimeできたことを伝え、ちょうど搭乗が始まった列に並ぶと、向こうから名前を呼ぶ声が聞こえてきた。
Ｍさん、到着。
最後に会えてよかった！
またいつかどこかで！
07:00、成田空港行きMIAT503に搭乗。
日本時間12:55、成田着。
これにて7泊8日のモンゴル旅、終了。
たのしかった。
