先月、コロナ陽性で自宅療養になった際、ともだちが本を送ってきてくれました。
おなかのあたりがじわっとあたたかくなるようなうれしいお届けものが届いた
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) April 7, 2022
わたしのこといっぱい考えてくれた気持ちが箱の中に詰まってて泣いちゃいそう😭
ありがとねありがとね pic.twitter.com/dc8XiXfUuF
自分でえらんだのではなくひとのフィルターを通ってやってきた本は、どれも脳みそが喜んでごくごくと飲み干していくような新鮮さがあって、読み進めるのがほんとうにたのしかった。
その中の一冊、『ほどよい量をつくる』の中にあった三鷹の古本屋と西国分寺のカフェが非常にユニークでぜひ行ってみたいと思っていたところ、本を貸してくれたともだちと先日一緒に行くことができたので、記録しておきます。
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三鷹:水中書店・Book Road・ハイカーズデポ・うしとら食堂
11時、JR中央線三鷹駅でまちあわせて、ぷらぷら歩き出します。
水中書店
まずは三鷹駅北口から歩いてすぐのところにある古本屋さん、「水中書店」へ。
店内は、きれいに整理陳列された古本でいっぱい。
文学やアート、宗教、政治、物理などカテゴリ分けがしっかりされているので、ぐるっと見てまわりながら目がいった棚をじっくり掘り下げていくと、興味関心がひろがりそうな本が次から次へと芋づる式に出てくる感じがする。
購入した3冊。
いまのわたしの関心事が、非常にわかりやすくあらわれてるかも。
古本という、ある意味での制約があることによって、逆にいろんな枠をとびこえる自由度が高くなっているような感じで、ずらっと並ぶ背表紙とタイトルを見て回っているだけでもおもしろかった。
自分にとっての宝とはなにか?から考え始める、宝探し。
Book Road
『ほどよい量をつくる』の中に書かれていて興味を持った古本屋さん、「Book Road」。
この古本屋さん、無人なのです。
中はこんな感じで本が並んでる。
こちらは並んでいる本の雰囲気が先ほどの「水中書店」とはまたちょっと違って、料理や手仕事、ヘルスケアなどのライフスタイル系書籍や絵本がメインといった感じ。
しかしこの古本屋さん、無人でいったい本の代金の支払いはどうするのかというと…
入り口脇にあるガシャポンにお金を入れ、本を入れる袋を購入することで、それが本の購入代金となるしくみになっています。
300円の本を買うならば300円のガシャポンで青い袋を、500円の本ならば500円のガシャポンで黄色い袋を買う。
ともだちが、シンプルで使いやすそうなレシピ本を購入、500円。
おもしろーい!
こんなしくみで、本が代金の支払いのないまま持っていかれたり場が荒らされたりすることはないのだろうか?と思うのだけど、『ほどよい量をつくる』によるときちんと回っているのだそう。
人間って、ふしぎですねえ。
ハイカーズデポ
お次はわたしにとっての聖地(!)といっても過言ではない、「Hiker’s Depot(ハイカーズデポ)」へ。
わたしがミニマム&ライトに生きたい、暮らしたいと思うようになったきっかけが、このお店の店主である土屋さんの書かれた本『ウルトラライトハイキング』だったのです。
わたしにとってのミニマリズムは、アウトドア方面を入り口としてはじめた生活改革だったのですよねえ。
ということで、聖地~!
お店の中にはシンプルで機能的で美しいギアやウエア類がいっぱい。
今回わたしは、これが欲しくてやってきました。
東北4県をつないで1,000kmつづく、「みちのく潮風トレイル」の地図。
2019年にスペインの巡礼路「カミーノ」を歩いてきてとても楽しかったので、日本でもトレイルを歩いてみたいのです。
テントなどを背負ってがっつり山を登り下りしたいわけではなく、歩くスピードできれいな景色をながめつつ、街に立ち寄っておいしいものを食べ、その土地のひとの話をきいたりして、その風土の空気をまるごと吸い込むようなゆったりとした旅がしたいのです。
まずは一番北側の01区間の地図を買って帰ろう、と思ってレジに出したら、対応してくださったのがまさかの土屋さんーーー!
「このトレイルの面白い歩き方をお教えしましょう!」と、全体地図の載ったパンフレットやエリアガイドを取ってきて渡してくれ、レクチャーが始まりました。
それまでわたしがイメージしていたのは、一番北の01からまずははじめて、次は02、03…とセクションハイク的に順番に南へつないでいく感じ。
土屋さんは「それももちろんいいんですけど」と前置きしつつ、
- 01(八戸~久慈)は八戸からの交通アクセスがいいので、スタート地点としてgood
- 03(宮古~山田)も盛岡からの電車とバスでのアクセスがいいので歩きはじめやすい
- 08(女川~石巻)は観光スポットや島渡船などでブラタモリ的な旅が楽しめるのでおすすめ
- 以上の3エリアをまず歩いて、そこからそれぞれ北へ足を延ばしたり南へ下りて行ったりという動き方にすると、ベースがある分土地勘もつかみやすく歩きやすくなる
- 01から順番に、10まですべてを歩く!というのもいいけれど、こういう楽しみ方もイイ!
いやー、01を買いに行ったけれど、もう、買っちゃいましたよね、03も08も。
だって絶対たのしいもん。
01から!順番に!全部!とガチガチになったら、つまらない。
いつのまにか囚われてたんだな、わたし。
それをパラっとほどいてもらった感じ。
かるくなった。
最後に、「ぜひ歩きに行って、楽しい話を聞かせてください!」と送り出してくれた声が、背中をぐいっと押してくれてるような気がします。
うしとら食堂
気づけばもう14時すぎ。
ハイカーズデポと同じビルにある「うしとら食堂」でお昼ご飯。
おしゃれな家具や雑貨のお店「デイリーズ」の一角にあります。
好きな小鉢2つと汁物、メイン、ご飯をそれぞれ選んでトレイに並べる。
なすと茗荷のポン酢和え、ささみときゅうりの和え物、海鮮春巻き、あおさ味噌汁、五穀米にごましお。
すごいボリュームだし、あたたかい麦茶やコーヒーまで飲み放題で、大満足のランチ。
大きな窓から日の光がいっぱいに差し込み、ウッディな家具と緑がいっぱいの店内ではちいさいお子さん連れものんびり食事していて、とても居心地がよかった。
厨房を切り盛りしていた店員さんが、とても忙しそうなのにニコニコ楽しそうに動いていて、こういう人がつくるものはもうまちがいなく美味しいんだよねえと思ったり。
西国分寺:クルミドコーヒー
さて、あっという間に時刻は16時。
…そういえば「井の頭公園を散歩してからあちこちまわろうか~」なんて言ってたのに、それもすっかり忘れて満喫しまくってた。
三鷹を出て、西国分寺へ向かいます。
西国分寺駅の駅前すぐのところに、「クルミドコーヒー」。
ここも前述の『ほどよい量をつくる』と、以前読んだ”贈与論”について書かれた社会学系の本でも名前を見かけたことがあり、ぜひ一度行ってみたいと思っていた場所でした。
建物の周りに大きな木々が葉を茂らせていて、通り抜ける風も気持ちがいい。
半地下のようなスペースのテーブルへ案内されました。
木の床、木の壁、木のテーブル、すべてがステキ。
あ、これこれ!「おひとつどうぞ」のくるみがあった!
たしか、このカフェでは、このくるみが客の満足度をはかる目安的にとらえられているんだったような。
その空間で過ごした時間に対する充足感が強いほど、人間はそこから何かモノのかたちで受け取る必要性を感じなくなる、という心の動きがあるのだそう。
つまり、このくるみの減り具合がこのお店での客の充足度を知る目安になる、ということ。
たしかに、自分の経験に照らし合わせてみても、そういう面はすごくあると思う。
人間の心って、おもしろいね。
わたしはいちごケーキの小さいサイズとクルミドコーヒー。
スポンジ部分はマフィンのようなスコーンのようなほっくりした食感、クリームは甘酸っぱくふわっとかるく、上にのったいちごとアクセントのくるみもそれぞれちゃんといちごとくるみの風味で、やや酸味のあるクルミドコーヒーとぴったり。
おともだちはチーズケーキとウインナーコーヒー。
はちみつレモンをとろーり。
店内には本棚があり、中の本は自由に読んでOK。
また、ここにある本がどれも感覚的にフィットして、おもしろそうなんだよなあーーー!!!
ふたりともそれぞれ本に夢中。
ケーキをちょっとずつ口に運び、コーヒーをすすり、本を読んで、たまに思い出したようにぽつっとおしゃべり。
わたしは料理家の土井センセのこの本があまりにおもしろくて、一気に読んでしまった。
土井善晴センセのこの本、ものすっごくよかった。https://t.co/TgaVaEMAHY
— ヌー : すっきり、さっぱり。 (@like_a_rhino) May 7, 2022
クルミドコーヒーにいる間に一気に読んでしまったけど、手元に置きたいから買う。
台所は地球とつながってる、家庭料理と「利他性」、ハレとケとケハレの混同、洋の東西の本質的な違い…。ウンウン首肯することばかり。 https://t.co/XI8DtwEVmR
この本の文中に、この日最初に行った「水中書店」で買った本『私はなぜ存在するか』の著者、養老孟司さんと中村桂子さんの名前が出てきて、つながりにびっくりしました。
選んだものが引き寄せ合った…。
あっという間に2時間半が経過、そろそろ帰ろ。
うーん、すてきな場所だった。
おわりに
三鷹も西国分寺も、ほどよく生活感があり、歩くのがとてもたのしかった。
いちにちがあっという間でした。
おまけの話
そして、買いました。
人生に大事なことが、詰まっています。
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