箱根

旅とブログと変わっていくまちについて、「強羅もち」から考えた。

ミニマリストオフ@箱根、強羅でのおはなし。

箱根をめぐる交通路線

箱根にはいろんな交通手段があります。

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http://www.hakonenavi.jp/index.htmlより転載

その中でいちばん利用者の多いメインルートは、

①小田原→<小田急線>→箱根湯本
②箱根湯本→<登山電車>→強羅
③強羅→<ケーブルカー>→早雲山
④早雲山→<ロープウェイ>→大涌谷

ですね。

この日ゲストハウスで、大涌谷へあがる④「ロープウェイ」がメンテナンスのため運休だと聞きました。
つまり、あのけむりもくもくの大涌谷へはいけない、ということです。

「 強羅もち」の石川菓子舗

toiオーナーかなこさんの携帯を、無事お返ししたあと。

A1さんととれいCさんのいる強羅へ、いそぎ引き返しました。
(ミキコさんとマリコさんは、入れ違いで帰路についた後だった…。)

ロープウェイの運休で大涌谷へあがることもできないので、三人で強羅駅の周辺をぶらぶら。
強羅公園への道ぞいのお店に「強羅もち」の看板がありました。

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なんともレトロな店構えの石川菓子舗で、「強羅もち」10個入り1,100円を購入。
お店のおかあさんが、できたてのものを箱に詰めてくれました。
つくってお店にだしても、すぐ売れちゃうんだそうです。

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これ、やわらかいお餅にころっとお豆が入っていてとってもおいしい。
保存料も入っていないので、日持ちは5日間。
やさしい甘さ、なつかしい味わいのお菓子です。

強羅のひとたちも知らないの?

その石川菓子舗のおかあさんとの世間話。

「今日はロープウェイが運休だそうなので、強羅をぶらぶらします」というと、
「え?今日運休なの?」とおかあさんがびっくりしててこちらがびっくり。

強羅駅でロープウェー運休のアナウンスを聞いて、途方にくれている観光客も見ましたが、まさか。
こういうことをまち全体で共有して、対応しているのが観光地だと思ってたんだけど…。

だって、強羅は大涌谷までのぼっていくひとたちが、ケーブルカーやロープウェイに乗り継ぐためにたどりつく、箱根登山電車の終着駅です。
そのロープウェイが運休するってことは、強羅のまちのひとの出入りに大きくかかわることのはず。
観光地にとってはすごく大事なことだと思うのですが、共有されていないのですね。

強羅という観光地の変遷

石川菓子舗のおかあさんのはなしは、強羅のまちのなりたちへと続きました。

強羅はもともとお金持ちの別荘地、住宅地として発展。そのうち、不動産を維持するのが大変になった、不要になったひとたちが売却。

それを買い取ったのが、中小の旅館や企業の保養施設。その旅館も保養施設も、景気の悪化にともない、不動産をどんどん売却。

いまは大きなホテルグループがそれをまとめて購入。大きなホテルを建てて観光客を一手に集めている状態。

実際、石川菓子舗の向かいには大きなホテルが建っています。
夜になって灯部屋にあかりがともる様子から、280室はあるという客室はほぼ埋まっているようだとのこと。

強羅にかぎりませんが、まちを歩いていてとにかく多くみる外国人観光客。
外国からのパッケージ旅行組を、ごっそり集めるルートができているのでしょうか。

でも、まちには還元されない

その石川菓子舗の「強羅もち」。
かつては、強羅のまちにあった旅館や民宿200軒あまりにまいにち卸していたのだそうです。
旅館で部屋に通されるとまずテーブルの上にある、あのお茶菓子として。
だからむかしは、「旅館で食べておいしかったから買いに来た」というお客さんがたくさん来てくれたのよ、とおかあさん。

その旅館や民宿がなくなって、大きなホテルになって。
それまで毎朝200軒に届けていたのが、大きなホテルに集約されてある意味手間はなくなりましたね、かと思いきやとんでもなかった。
大きなホテルは一切、地元のものは使わない。
すべて、どこかの工場で作って運んでくる、自社の関連会社製のものを使うのだそうです。

企業としては、そのほうが利益があがるのでしょうね。
いわゆる「シナジー効果」ってやつでしょうかね。

でも、それってまちにはまったく還元されないし、まち全体としては、お好きな「シナジー効果」、ぜんぜん発揮されませんよね。

「まち全体としての力」がたいせつになる

ここのところ、あちこちへちいさな旅を繰り返してきて、思うのです。

ひとつだけのものに頼る、
ひとりだけでやろうとする、
自分だけよければいいや、
というのは、成り立たなくなってくる。

絶対的におおきなものがすべてを取り、すべてを持つ、というのは続かない。

これからは、
ちいさなひとつひとつの存在が、
お互いの価値を認め合い、
ゆるく手を結ぶことで、
全体としておおきな魅力を持つ。

そんな流れを感じます。

そういう変化が感じられるなか、日本国内を旅することはとてもたのしい。

どんどん旅をして、そのさまを自分の目でみてみたい。
自分なりに、こころにとめて、書き留めたい。

そんなことを思い、旅をして、書いています。

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